小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

夢の世界

日向の匂い

猫がいない。2階の窓が開いていた。 「だって、ベランダには高い壁があるから大丈夫でしょ? 家の中のどこかにいるんじゃないの?」とKは言うが、猫にとって1メートルそこそこの壁なんてお茶の子さいさいだよ。 Kは急いで探しに行こうと焦っていた。いやいや…

初夢

猫がいなくなった。 探しても探しても見つからない。 Kはもう少し探そうと言ってくれる。あきらめないでチラシを作ったり、町の人に声をかけたり。猫見ませんでしたか、猫、灰色の猫。しっぽが長くてきれいなんです。でも、目が見えなくて耳も聞こえなくて、…

太文字

Kがやけにモフモフとした大きい八割れ猫をひょいと差し出しつつ、「この猫、肉球の裏に怪我してて、その怪我がちょうど太文字と同じ幅だから、太文字って名前だよ」と言った。ぐるぐると黄色い瞳を回しながら、太文字は「ぬー」と鳴いた。毛がくるくるとカー…

ネコの価値

「猫が良いかどうかを決めるにはどうするか」「良いという判断はそもそも価値判断であって、その価値は個人個人により判断基準が統一されていないから、良い猫を決める方法など存在しない」誰かが話している声がする。「ところがあるんだ」「バカなことをい…

カエルに背負われた小さなエイが…

わたしは崖の上にいる。太陽の光が強く草いきれがむっとするほど立ち上ってくる。崖の下から吹いて来る風は涼しいのだが立ち上る草いきれの勢いには勝てないようだ。崖の下は小さな入り江になっているようだ。入り江を囲むようにそびえている切り立った岩肌…

もう帰れない場所、もう会わない人。

「あの家」の夢を見た。

メトリックス論

老教授はプロジェクターで映し出された図をおもむろに指差して、これがバイオメトリックスで、今まで発見されたふたつのメトリックス、フィジオメトリックスとエレクトロメトリックスに次ぐ最後のメトリックスだと考えられてきた、と重々しく話した。世界を…

夢の色彩

心理学の教科書に載っているような夢を見ることも多いのですが、ときどきものすごく色彩のきれいな夢を見ます。昨日の日記に記録してみた青いパンサーの夢も色彩のきれいな夢でした。どこまでも続く海の上の橋は、海の青い色と空の色と明るい太陽の光と橋の…

青いパンサーと体育館と白い棒

その男は、わたしの探しているものがある場所を知っているといった。わたしはもうずいぶんと長くあちらこちらを歩き回っていた。晴れた日に穏やかな海の上を横切るどこまでも続く橋を自転車で渡った。人気のないマーケットの残飯の匂いの漂うバックヤードを…