小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

カエルに背負われた小さなエイが…

わたしは崖の上にいる。太陽の光が強く草いきれがむっとするほど立ち上ってくる。崖の下から吹いて来る風は涼しいのだが立ち上る草いきれの勢いには勝てないようだ。

崖の下は小さな入り江になっているようだ。入り江を囲むようにそびえている切り立った岩肌は風や波にさらされて黒く風化している。

わたしはその崖の上にひとりで立っている。

崖の上から見える海は凶暴に光を反射している。その乱反射された光が暑さを増幅している。海の水は澄んでいるのが崖の上からもわかるほどでなんともひんやりとしていそうだ。なんとかこの崖を降りて海にいけないものか。

崖の上に腹ばいになり崖から降りることができるかどうか確かめてみる。しかし崖は切り立っていて降り口を見つけることはできない。そうやって崖の上から下を眺めていると海の水が奇妙な動きをしていることに気がついた。

なにか生き物が波打ち際に押し寄せてきている。

カエルが小さなエイを背負って海から上がってきている。エイを背負った数え切れないほどのカエル。カエルの背につかまっている数え切れないほどのエイ。カエルは砂浜に上がるとケロともいわずエイを背負ったままもくもくとどこかへ歩いていく。



10年ほど前に見た夢です。