小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

ねこ、絶望。

Kが1週間の出張から帰ってきた。どうしようかな、と迷ったけれど、結局成田まで迎えに行った。迎えといっても、車があるわけでなし、通関の出口で待ってて「おかえりー」って挨拶をして一緒にバスで帰ってくるだけ。

迎えに行くことに決めたので、前日にお惣菜の作り置きをしておいた。小松菜とがんもの炊いたん、アジの三杯酢漬、サトイモと豚肉の煮っ転がし。

無事に二人で帰宅した。外出中はこたつの電源を切って湯たんぽだけにしているのだが、そのせいでおかめの機嫌が悪い。こたつの中の湯たんぽの上でこちらに背を向けてきりきりと丸くなって不機嫌をアピールしている。最近はすっかり年を取って生きる気力がないと、香箱をきれいに組むこともしっぽを体に巻き付けることも、きりきり丸まって寝ることもないのに。こういうときだけ、きりきりと丸くなり生きる気力にあふれている。そして不機嫌のあまり、大好きなKが帰ってきても気が付いていない様子。

でも、やがてKが帰ってきたことに気が付くと、おもむろにこたつから出てきて、この1週間、どのくらいひどい扱いを受けたか、ご飯だってもらえないしトイレは汚れっぱなし、叩かれたりしっぽをもって振り回されたりしたんだと、訴える訴える訴える。結局、ほとんど一晩中、Kの枕もとで小声で訴え続けていた。

そして、今朝、Kは仕事があり早朝に出発した。わたしはサボって家で寝ていた。

そうしたらおかめからこたつから出てきてKを探す。いないことに気が付くと、バタンと座り込み、体をドロッと伸ばして床の上に倒れ、情けない小声で天井に向かって鳴いた。

いや、今夜はKは帰ってくるから。そんなに絶望しなくとも。

まあ、Kがせっかく帰ってきたのに仕事に行ってしまったと、ぐれてサボっているわたしも似たようなものだけど。

今月末から、わたしは長期の出張のようなものに行くんだけど、一人で最後まで頑張れるかな。