だって家族だから。
先日、定期健診の結果が思わしくなく精密検査を受けることになった。自分で自分の体のことは把握しているので、精密検査の結果もクリアーになるであろうことはわかっていたので心配はしていなかった。
でも、万が一、ということがある。検査に送られたサンプルの見た目が以前と比べてちょっと気になる部分もあった。
なので、結果を聞くのはKと一緒に聞きたい、と思った。
結果を聞くための診察日*1を予約するときに窓口のおねーさんに聞いてみた*2。
「ええと、検査結果を聞くときに連れてきたい人がいるんですがいいですか。わたしのパートナーなんですが結婚はしていなくて、していない理由というのは相手も女性だからなんですが。結婚していないと結果とか一緒に聞けませんか?」
…緊張しているせいでなんかへんなことを口走っているような気がする。
窓口のおねーさんは、混んでいる場合に一緒に来る方の座るところがないかもしれませんがまったくかまいません、と淡々と答えた。問題はKとわたしが婚姻関係にないことではなく、患者さんの数に対して椅子が足りるか足りないか、らしい。
結果を聞きにいったとき、Kと一緒に診察室に入っていったら医者から、この人は妹か、と聞かれた。やっぱりKのほうが9歳若いだけあって若く見えるんだなあ…あんだけ不摂生をしても肌なんかぴちぴちだもんな〜、と時間がもたらす圧倒的な不公平に対して思いを馳せながら
「いいえ、パートナーです」
と答えた。医者は、ああそう、とうなづいた。その後のレクチャーのときは椅子は無事に足りたのでKも座ることができた。レクチャーは興味深く勉強になった。
わたしの中では、Kはわたしの紛れもない家族だという気持ちがある。それを西ヨーロッパにいたときは当たり前のように受け入れてもらえたけれど、日本においてはそうではないんだろう、とものすごく構えているところがある*3。なにか文句があるのなら言えばいいけどあなたの文句の100倍しゃべって論点をぼやかしてなんの話をしていたのかわからなくしてやるからね、という感じで。
でも、とても幸福なことに日本に来てから今までそういう目にあっていない(たったの2ヶ月だけど)。それは、ここが都市部だからとか、Kが揺らがない人だからとか、わたしたちが女同士のカップルだからとか、いろんな条件が重なっているからなんだろう。
とにかく、Kはわたしの家族なんだからこれからも堂々と手を恋人つなぎにして歩き続けたい。そういうわたしたちを失礼にもじろじろと見てくる人はいるが、きっとKとわたしが魅力的なので目が離せないんだわ、と意味もなくポジティブになっていこう。