小人閑居

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同性カップルで任意後見人制度を利用する。1

以下、覚書です。制度そのものについてではなく、利用して契約を成立させるまでになにが起きたのかについてです。


わたしが一番心配しているのは、交通事故かなにかで突然意識不明になったときに、自動的にKがわたしの後見人になれないこと。血縁者というだけで縁を切っているあの人やこの人がでてきて好きにされてはたまらない。また、そういう場合に保険の代理請求もしてもらわなくてはならないし、医師からの説明を受けたり治療方針について決めたりもある。仮に死んでしまったときにも、葬式を血縁者達に勝手にされて一族の墓なんかに入れられたら成仏もできない。

なので、任意後見人制度を利用することにした。それと、死後事務委任契約もプラス。でないと、わたしが死んだ時点で任意後見人契約が終わってしまうので、Kが葬式そのほかを取り仕切ることができない。

まず、ネットを徘徊して制度についての大まかな知識などを仕入れた。さらに任意後見契約の例文を元に、自分達の場合に必要な条項を書き加えたりいらないものを消したりした。

それをプリントアウトして、戸籍謄本、住民票、印鑑証明と共に公証役場に相談に行った。

わたしたちが行った公証役場は明るくて解放的なオフィスで、気軽に相談ができる感じだった。受付のカウンターで任意後見人契約について相談したいというと、少し待ってくださいとのこと。なので、置いてあった女性自身や週刊新潮などをめくりつつ待った。

公証人はお年を召した温厚そうな男性。わたしたちが若いのに任意後見制度を利用したいとは珍しいと思われたようだ。そこで、軽く説明。自分達で作ってきた契約書の案もそこで見ていただく。基本的に例文に沿って作るのでわたしたちが持っていったものでだいたい大丈夫でしょう、とのこと。

任意後見の範囲や遺言の範囲などを軽く説明されたり、自分達が必要であると思っていることを説明したり。だいたい30分くらいか。相談の途中で、英国で同性婚をしていても日本では認められないので…というと、特に驚いた風もなく「そうですね」と公証人の方はいっておられた。単なる印象だけれども、同性カップルに対して特に偏見があるようには見受けられなかった。少し安心。

わたしたちが持っていった原案を見ていただいて、実際にどういった文章になるのかを1週間後くらいに確認に行くことになった。アポイントメントも作った。確認ができたら正式な公正証書を作成するらしい。それから契約をすることになる。契約をする日も一ヵ月後に仮決めをした。


【留意点】
1) 「わたしたちの作った原案」というのは正確ではなく、わたしが例文を拾ってきてほうってあったのをKがせっせとわたしに質問をしたりしながら書き直してくれたもの。だから、Kが作った原案というのが正しい。
2) 分からないことはあれこれ推測せずに公証人に聞くが吉。
3) 保険について代理請求人や受取人にするためにどういった条項が必要になるのかは保険会社に問い合わせることが必要。
4) 相談は無料。公正証書の作成は任意後見人は15000円くらいだったと思う。壁に書いてあったのを見たけれど正確には覚えていないので次回にメモって来るのを忘れないようにしよう。
5) 遺言や任意後見人契約を作ることは自分の人生の設計について考えるいい機会だと思う。人生は明日なにが起きるか分からないのだから、若かろうが健康だろうがこういうことはしておいたほうがいいと心から思う(ずいぶん昔に遺言を正式に作成しようと弁護士と話し合ったときもなかなか良かった。ことに自分が突然死んだりしたときに息子の後見人などについて決めておけるのがとても安心だった)。