小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

日々雑感

箸を直す

箸が折れてしまった。 10年以上使い続けている黒檀の箸。先がとても細くなっていて、無垢仕上げの黒檀の箸は使えば使うほど手になじんだ。黒檀だからこそできる先の細さもとても良かった。特に魚の骨をきれいにとれるので、本当に気に入っていた。 一度、先…

山形のだし

夢の中で、何かを一生懸命に刻んでいた。でも、包丁がリズムよく動かなくて指を切りそうになってしまう。「あぶない、あぶない」と誰かが後ろから言ってくる。できるはずと刻み続けるけれど、まったくうまくいかない。包丁を研がないと。包丁が切れないから…

夢叶う

「夢は追い続けていればいつか必ずかなうものだ」…いや、「夢は見続けていれば…」だったか。立松和平の「海のいのち」に出てくる言葉だ。もちろん、国語の教科書で読んだ。がむしゃらに夢に向けて頑張る必要はない、毎日を淡々と生きていくことが大事だ、と…

梅雨の梅

4月に転職して、休みが不定期になった。土日休みはそれなりにいいけど、5連勤は結構つらい。通勤も自転車になったので、最近とても時間に余裕ができたような気がしている。気がしているだけで、よく考えれば仕事とは別に参加をしているプロジェクトが2つあり…

引っ越した

10年住んだところから、仕事場により近くなる所へ引っ越した。1月からこちら、いろんなことがバタバタと決まったが、そのうちの一つが引っ越しだった。引っ越しの時に、いい機会だと思っていろいろなものを手放した。それなりの思い入れのあるものたちだけど…

文章にまとめるということ

4月からの仕事でかかわっているプロジェクト(?)がいくつかあるのだけれど、それらについて経過などを文章にまとめておくとよいと先達より助言を受けていた。プロジェクトとして経過をまとめておいたほうが良いと思われるものについてはまとめていた。しかし…

春近し

串カツを食べて、いい気持になって、少し暖かくなってきた夜、Kと二人で歩いて帰ってきた。帰り道、猫を4匹も見かけた。いつもは1匹いるかいないかくらいなのに。春が近くて猫たちも蠢くなにかを感じているんだろう。そのせいか、最近、うちのおかめも夜にう…

無意味なこと

野菜の下ごしらえを暑い台所でしながら、何となく中島みゆきの「悪女」を歌っていた。ふと、「マリコの部屋に電話をかけて」とか、「受話器を外したままね、話し中」とか、「ホテルのロビーもいつまでいられるわけもなし」なんかは、今のスマホ世代にわかる…

最近うれしかったこと

今までに、たぶん、何度かOpenly Gayという状態がわたしの理想の状態だと書いたと思う。書いてなかったかな。カミングアウトという形で、自分が恣意的に選んだ人にだけ打ち明ける(=秘密の共有を強制する)ことを必要としないあり方。宣伝もしない、隠しもし…

Pre手袋、Post手袋

人に文句を言うときに、聞こえるようにひそひそと話す人はいったい何を考えているのだろう。文句を言っても無駄だと思うなら、言わなければいい。きちんと注意をしたいのならば注意をすればいい。ひそひそ話すことで本人の自覚を促して云々、なんてつまらな…

自傷行為

今日は絶対に残業はしないんだ、と心に決めていたにもかかわらず、残業になってしまった。しかも、ノー残業デイという制度のため残業代もつかない。残業になったことは仕方ない。どんなにしっかりと手入れをして管理をしていても台風にはあってしまう田んぼ…

あり得ること

今日は一日さんざんな目にあい、仕事が忙しく、部署全体がひっくり返したような大騒ぎ。就業時間後にようやく電話が鳴りやんで、少し静かになったフロアで残業。なんとか、仕事の終わりが見えるくらいになったので、帰途に着いた。家に一番近い駅でKと電話で…

沼地の中を歩き回る

今日、午前中に退職前の最後の出勤をして同僚や関係各所に挨拶をした。来週からは新しい職場だ。

花瓶を探す

事業所の歓送迎会があった。移動でいなくなった人や入ってきた人も呼ばれて、和やかな会だった。わたしも辞めるメンバーとして一言挨拶をしないといけないのかな〜と思っていた。会へ行く途中で席が隣で何かとよくしていただいていた同僚と会った。渡そうと…

木蓮が散った。

事業所の裏に小さな物置があって、その横に本当に小さな植え込みスペースがある。南側には大きなビルがあり、ほとんど陽が当たらないところ。そこに白木蓮がある。4月の初めに小さな花芽をそれぞれの枝の先につけていた。とても小さな花芽で、陽も当たらず周…

そんなにかわらない

「近頃の若いものは…!」というセリフはわたしが若いころにも年上の人が発していたし、古典を読んでも似たようなセリフはしばしば目にする。たぶん、ネアンデルタールが字が書けたら同じような記述を残していただろうし、エジプトの壁画だってそういう内容が…

沼地にたたずむ

友人は素敵な仕事をしている。やりがいもあり、さまざまな人からほめられうらやまれ、名声を得る。友人自身も素敵な知性あふれる人。仕事が楽しい、今年の夏は海辺の家でひとつの仕事にずっと取り組んでいた、昨日はカフェでお茶をしながらお客様とフランス…

流せない涙

「この子と離れ離れにされるのだけはイヤです。それだけは絶対にイヤ」そう静かに言ってはじめて涙をほろほろと流した女性。つらい経験を話すときも絶対に泣かなかった彼女が初めて泣いた。それを見て、わたしにはこういう種類の涙はないな、と感じた。まあ、…

To become.

今日、とてもうれしいことがあった。 The conditions were unfavourable, but the potatoes would begin to sprout― pale white sprouts,so unlike the healthy green shoots they sent upwhen planted in the soil in the spring. […][The sprouts] would n…

テキスト庵が閉鎖されました。

テキスト庵に登録をしたのはいつなのかは覚えていない。2年前?3年前?ネット上にあふれる改行が多くセンテンスやパラグラフのちがいがはっきりしない文章を見ながら、装飾としての改行ではなく、思考のリズムとしてのセンテンスとパラグラフの違いを大切に…

ペンの向こうの景色

扱っているケースが非常に微妙で判断が難しい問題であることに気がついた。自分ひとりで判断をするわけにはいかないので、ある程度の仮説を立てて上司に意見を聞きにいった。上司はほっそりと背が高くいつもやさしく笑っていて、なかなか押しが弱い。しかし…

大人になるのは悪くない。ちっとも悪くない。

去年、矢野顕子のライブに行ったときに演奏を聴いて、気持ちにしっかりと寄り添うと感じたのが「恋愛宣言」という歌だった。感動、というのとはちょっとちがう。Kと出会ってから彼女に対する自分の気持ちを胸の中から取り出して自分で彫刻という方法で形にして…

靴を買った。

わたしの足は甲高幅広で、最近流行の先っぽが刺さりそうにとんがっている靴は履けない。また、ハイヒールなどの女性のおしゃれ靴は靴底が薄すぎて、あれでは裸足でアスファルトの上を歩いているようだ、とも思う。わたしの足を無理なく納めることができて、…

里子読み

テレビを見ていたら、「それでは歌っていただきましょう!さとごよみ」というアナウンスが流れてきた。里子読み。この子は親から捨てられて今まで孤児として一人で厳しく生きてきた。わたしたち夫婦は子供に恵まれず、縁あってこの子を里子として引き取った。…

ふとっちょのおば様のために。

今朝、ニュースでサリンジャーが死去したと聞いた。そのニュースで忘れかけていた高校生のころから日本を去るまでの7年間の自分の精神状態を思い出した。自分は誰にも理解されないと孤高を気取っていたころ。そのころ、多くのテーンエイジャーがそうであるよ…

言わなければわからない。

ずいぶん昔にブライアン・アダムスの流行った歌で、You know it's true. Everything I do, I do it for you.みたいな歌詞があった。君のためなら死ねるとかそんな歌でものすごく流行ったのだけれど、わたしは「やめてくれ〜ひえ〜」と思っていた。すべてはわた…

椅子

ずいぶん前にそのころ住んでいた町のメインストリートからゆるい弧を描きながら降りてゆく坂道の途中にあった骨董屋さんで古いニューイングランドチェアーと呼ばれる椅子を見かけて何気なく座ってみた。そうしたら200年もわたしを待っていたかのような座り心…

肘下で

イングランドでの休暇から帰ってきて、日本が暑いので文句を垂れまくっている。しかも、じめじめとした雨が降っていて外出するには最悪の天気だったが、用事があるのだから仕方がない。じっとしていると肌寒いのに、ちょっと歩いたりすると湿気の高さもあっ…

みんなで幸せになりました。

某日、今日は事務的なことを一気に済ませる日、と決めてKと一日銀行や保険屋や役所を廻っていました。某金融機関でKが貯金を下ろそうとしているので椅子に座ってまっていました。そうしたらKがわたしをちょいちょいと手招きしていました。なんだなんだ、俺俺…

ぶーぶーちゃん

この部屋に引っ越してきてから一日に一度か二度くらい謎の音が聞こえてくることがあった。ほぼ毎日、夕方から夜にブーブーと聞こえてくる。ブーが二回のときが一番多くて、たまにブーが三回四回となることもあるけれど。とにかく、毎日ブーと聞こえてくる。…