小人閑居

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レズボス島に住む人は。

今日、こんなニュースを見つけました。ギリシャのレズボス島に住む3人がアテネの裁判所に女性の同性愛者を示すときに「レズビアン」という言葉を使うことの禁止を求めていたそうなんですが、敗訴したそうです。

アテネ裁判所は、レズビアンという言葉はレズボス島の住人のアイデンティティーを形成していないため、このような訴えを認めることはできないと判断したようです。



侍という日本の歴史的存在がハリウッド映画なんかでSAMURAIとなってなんか変な感じに描かれているとものすごく違和感を覚えます。さらに、「あ、お前は日本人でSAMURAIだな!」みたいな感じに、誰かが作り上げたイメージを自分に押し付けられると非常に不愉快です。

なので、わたしは個人的には自分をレズビアンであるというのにすこし抵抗を覚えています。ビアンという表現にいたっては変な省略形でおしゃれっぽく言っているのが気に食わないので、コミュニケーションの都合上か表現上そういう言葉を使わざるを得ない場合以外は、ゲイか女性同性愛者という言い方を自分では採用しています。

でも、それはあくまでもわたしの個人的な気持ちの問題です。実際にはレズビアンという表現はかなり広い範囲で使われているし、その意味についても広く合意が成立しているので、いまさら禁止するわけにもいかないでしょう。それでも、レズボス島の住人で自分をレズビアンと呼びたいと思う異性愛者にとって現状は満足のいくものではないのでしょう。まあ、多くの人がそういう意味で使うことによって言葉の意味は定義されるわけなので、これからもレズビアンという言葉が女性の同性愛者を指すことは変わらないと思います。

なので、こういう訴えを起こした住人の人の気持ちはなんとなくわかるなあ、と思いつつニュースを聞いていました。

が、最後の最後で、やっぱりこの人たちが敗訴してよかった、と思ったのです。

主訴人であるDimitris Lambrou氏は

[I]nternational dominane of the word in its sexual
content violated the human rights of the islanders
- who call themselves Lesbians - and disgraces
them around the world.

性的な意味に使われる言葉の国際的趨勢は、自分達をレズビアンと呼んでいる島の住人の人権を阻害し、彼らに不名誉をもたらしている。


と発言したそうです。

同性愛者であることは不名誉なんかい。け。