クリスマスが近づいてきて
特に大掃除というほどではないけれど、押入れの中や本棚、台所、お風呂場などを片付けています。
もうすぐ、クリスマス。
クリスマスは向こうにいたときには好きではなく、お正月が自分にとってはとっても大事とばかりがんばっていたのですが、日本に帰ってきたとたん、クリスマスはイングランド風にしたいという欲望が燃え盛っています。
クリスマスケーキはもちろんクリスマスプディングじゃなきゃ。でも、紀伊国屋までわざわざ買いに行ったのに、クリスマスプディングと称して売っているのは焼き菓子であるクリスマスケーキ。クリスマスプディングは蒸し菓子なのに。知らないと思っていい加減なことしないでよ。やっぱり来年からは自分で作らなきゃ駄目ね。スエット*1を入れて伝統的に。
クリスマスディナーはもちろん25日に食べます。お昼が理想だけどKの仕事もあるから夜でがまん。ローストはターキーなんてビクトリアン大家族が作り出したくだらない似非伝統じゃなくて、イングランド本来の伝統である野鳥料理じゃないとね。雉が食べたいけれど、今年は鶉にしよう。スタッフィングはもちろん栗のスタッフィングじゃなきゃ。そして添えるのはゲームチップス*2とブラッセルス・スプラウト*3、パースニップ*4…。
どうしたわけだか、いきなり超保守化。つくづくふるさとは遠くにありて思うもの。いつもないものねだりでとなりの芝生は青々と。
などと自己憐憫やら自己批判やらで忙しくなりながら家事をしていました。鶉を20羽買ったのですが、これが冷凍で一塊になっているので、ばらすために外に出して少しだけ解けるのを待つ間に、飾り棚のアンティークガラスやラスター・デミタスなんかを洗っていました。明日お客さんに鶉のローストを出そうと思っているので9羽だけ解凍したいのです。
家事のBGMがわりにBBC Radio4のWomen's Hourを聞いていました。たまたま聞いたポッドカスト*5がDelia Smithのクリスマスディナーのアドバイスだったりして*6。ふん、デリアめ。相変わらずミドルクラスのつまらぬ料理をしておるな…とかつぶやいていると、自分がどこにいるのか一瞬わからなくなったりして。
でも、コタツでねっこけているおかめを見ると、ここは日本でKと暮らしているんだと急に地面に足がついたような。
それ以前に、クリスマスの飾りつけをしてまへんがな。めんどくさいからね。笑。
*1:牛の脂肪をペレット状にしたものでイングランドではミンスミートやお菓子に使う。
*2:細切りしたジャガイモのフライ。ゲームミートと呼ばれる野生動物系の肉と食べる。
*4:見た目は白いにんじん。食べると蕪とサツマイモを足して割った味と歯ごたえ
*5:米語ならポッドキャスト、英語ならポッドカスト。どうでもいいかもしれないが、わたしは英語発音にこだわるのだ。Castleはキャッスルではなくカースルだ。うおー。
*6:Delia Smithはイングランドの超保守的料理研究家。最近は初心者向けとか今風の料理もしてるみたいだけれど。外れない伝統的なイングランド料理のレシピは彼女のものが一番オーセンティックだと思う。
*7:ミンスパイはミンスミートと呼ばれる各種ドライフルーツと上述のスエットを混ぜたものを入れて焼いたパイ。クリスマスのときに温かいものをブランデーバターで食べる。24日にツリーを飾った後にシェリーを飲みながら食べるのが伝統的。その時に「今年のクリスマスは去年とまったく一緒で素敵ね」なーんて台詞がでてくるのがイングリッシュ・ミドルクラス