小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

なますじこ

今日は山芋もあるしキャベツもあるしお好み焼きにしようと思って、揚げ玉と小エビを買いに出かけました。そうしたら、買い物をしている最中に実は塩鮭が買ってあることを思い出し、お好み焼きは明日だな、とひとりごとをつぶやいていたら、目の前に生すじこが。

秋の親子丼。

献立の神様がそんなことをつぶやいたような気がして、1500円と値段が書かれた生すじこをかごに入れていました。

帰ってきてすじこをほぐしているときに脳の中で中島みゆきの「ファイト!」がエンドレスで流れ始めました。

暗い水の流れに打たれながら 魚たちのぼってゆく
光っているのは傷ついてはがれかけた鱗が揺れるから
いっそ水の流れに身を任せ 流れ落ちてしまえば楽なのにね
やせこけて そんなにやせこけて 魚たちのぼってゆく

そんなにしてまで川を遡った魚のすじこをほぐしながらこの唄をうたうのは駄目なのでは。闘う魚の卵を闘わないわたしが笑いながら食べるのはよろしくないのでは。

そんな気もするんだけど、すじこをほぐすのはなかなか大変でわたしだってすじこと闘っているんだ。負けないぞ、すじこなんかに。ファイト。


しかし、しょうゆ漬けにしたすじこは明日まで待ったほうが美味しいので、今夜は秋の親子丼ではなく単なる塩鮭になるのでした。