小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

前回、温泉の部屋に行ったときは台風だった。

一足先に行っていたわたしは問題なく到着できたが、Kは東京駅で新幹線が止まり、もしかしたら来れないかも、と思った。が、問題なく在来線でやってきた。台風の激しい雨の音を聞きながら3日間、布団をたたみもしないでごろごろと転がって過ごした。

洗濯もせずに帰り、台風で集めた湿気も心配だったのでもう一度行くことにした。Kの提案で、洗濯のみして、そのあとはホテルに泊まることにした。

洗濯をして、カーペットを虫干しして。部屋の中に風を通して。虫よけスプレーしたり、掃除機かけたり。

その後、ホテルに移動。スパ付きプランだったので、まずはスパに。立湯の露天風呂は温度も低めでゆったりつかると夕日の色を映したお湯とその向こうの相模湾がつながって、可視光線が緩やかに夕暮れの空気で分解されたグラデーションが揺れる。海も空もお風呂も、混然一体。その揺れをぼんやりと二人で眺めていたら、いつの間にか1時間半近くたっていた。

わたしは整体の予約があったのでお風呂から上がった。Kは岩盤浴を楽しんでいた様子。

そのあと、もう一度立湯の露天に行った。すっかり日が落ちていて熱海の夜景が見えてきれいだけど、あの不思議な一体感はすでになし。

それから、別の温泉に行き、やや熱めのお湯を楽しんだ。

部屋に戻って、バルコニーから夜景と島々の灯台の光を見ながらゆっくりとワインを飲む。伊豆産の赤ワインは軽いボディーでなかなかおいしい。

海の上だからか、ものすごい数の星が見えていた。

バルコニーの椅子のクッションを取ってバルコニーに寝っ転がって夜風と赤ワインを楽しむ。波の音。星。灯台

朝はカーテンを開けると真っ青な海と空。

こういう休日もいいねと言いつつ帰ってきた。

が、実はホテルの売店が20時にしまったため、お酒が買えず。近くにコンビニもなく、泣く泣くルームサービスで倍以上のお金をワインに支払った(それでも飲まない選択肢はない!)。この町の夜は早い、ということをすっかり忘れてました。