小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

今の気持ちは?

転職先から、正式な通知が来ていろいろと必要な書類を書いていると、しみじみと本当にここに採用されたんだ、と喜びが湧き上がって来る。そして、その喜びはどこから来るのか考えてもうまくまとまらない。

とりあえず、正直な気持ちを書いてみようと思う。

新しい仕事についてうれしいのはなんといっても自分がしたかった専門領域にかかわれることだ。今までの仕事は、例えて言えば、紳士服のオートクチュールクチュリエになりたいのに、婦人カジュアルのプレタポルテの縫製をしているようなものだった。大まかな部分では同じ分野でも、自分の持っている技術の半分くらいしか生かせない鬱憤がたまっていた。

次に、今の事業所でのわたしの立ち位置の微妙さがあったと思う。わたしの立場は完全に事業所のフルメンバーではない扱いだった。利用者と事業所の利益が対立した時には利用者の側に立つし、利用者がほかの事業所を利用したほうがいいと判断される場合はそちらに利用者を紹介する。事業所に引っ付いているジャンクションボックスのような立ち位置にあった。

自分がジャンクションとしての機能を持つことはいいのだけれど、その機能を持つがゆえに事業所の意思決定過程に参加ができない。それが、同じ事業所の同僚にたいして微妙に疎外感を感じてしまう原因になっていた。みんなで仲が良かった分、その疎外感はわたしを蝕んでいた。

今度の仕事ではそういう疎外感を感じるようなポジションには立たずに済みそうでそれがうれしい。

さらに、新しい事業所でわたしに付く公的な肩書(役職名ではなく仕事上の資格的肩書)はちょっとかっこいい(当社比)。しかも、この分野では狭き門で知られる専門領域。なので、周りの人からちょっと尊敬されたりするんじゃないかな、とか、社会的な立場とかできるんじゃないか、とか、そういう功名心および自己顕示欲的な喜びもある。

そして、なんといっても超現場。ばりばり現場。現場が好きなわたしとしては、それがうれしい。物語が構築されていく現場に継続的にかかわれる、というのがすごくうれしい。今の仕事は現場仕事ではあるけれど、物語の構築ではなく「閑話休題‐それはさておき」的な現場へのかかわりだったから。

また、わたしの分野では年齢はそれほどネガティブな要素ではないものの、あと2年以内にこの専門領域に入れなかった場合は、夢をあきらめたほうがいいかも、というタイムリミットもあった。時間切れになる前にこの専門領域に潜り込めて本当にラッキー。

そんなわけで、自己顕示欲が満たされたり、ラッキーと思えたり、自分の組織内での立ち位置が安定していたり、自分の技術を発揮できそうだったり、いろんな意味でうれしいんだな。