小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

万年筆を音波洗浄する。

もう20年近く使っているモンブランの万年筆があります。20年近く…といっても、その半分くらいは使っていなくてインクが乾いてしまったりしていました。最近も、またしてもインクを乾かしてしまいました。

洗ってインクを入れたのですが、すらすらと書けるようになりません。どうしてもインクがかすれてしまう。万年筆はやはりあのすらすらという書き心地がいいのであって、インクがかすれて紙に引っかかるのはいらいらするしペン先にも良くない。

そこで、万年筆の洗浄方法を検索しました。基本はやはり水洗いしかないようです。分解はしてはいけないようだし。超音波洗浄をしてくれるお店もあるみたいだけれど、近くには発見ができません。まさか眼鏡屋さんの店頭においてある眼鏡用の超音波洗浄機に万年筆のペン先を突っ込むわけにもいかないでしょう。怒られるよね、絶対。

万年筆のペン先を水につけてそこに向かって歌えば「ブリキの太鼓」のように超音波でインクを粉砕できないか…それとも手に持って思いっきり早く振るわせれば超音波振動が発生するのではないか…いや、近くのスーパー銭湯の超音波の湯に一緒に入浴してしまうか…。

そんなことを考えながら家の中の超音波を探してうろうろしていたら、電動歯ブラシが目に入りました。超音波ではないけれど、これは音波歯ブラシ。そろそろブラシを変えようと新しい替えブラシも買って来てある。なので古いブラシを万年筆洗浄に下ろすことにしました。

水の中で万年筆のペン先に音波歯ブラシを当てましたら、面白いくらいにインクが溶け出してきました。10分ほどぶるぶるやっていたらほとんどインクが出なくなったので、水を新しくしてそのまま一晩置いておきました。

水から出してよく乾かして、再びインクを入れてみました。すると、すらすらというあの書き心地が蘇っていました。うれしい。