小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

小さな鋭いものが引っかかったような


そのことに対しての怒りや嫉妬や嫌悪感などはない。けれども、時折、何気ない瞬間にそのことがチクリチクリとわたしを刺す。鋭いそれがつけた見えないくらいの傷跡からは一滴の血が流れ出す。その色は青い。

その青さで指の先を染めてそっと差し出してみる。青く染まった指に柔らかな唇で接吻をされ気持ちが落ち着く。