時間薬
時間薬ってよく言われるが、確かに時間でしかよくならないものがあると思う。
おかめが他界してもう2か月以上がたった。まだ、そのことについてうまく話せない。でも、忘れたくないことがいくつかある。Kと一緒に夜遅くまで帰れなかったわたしを待っているかのようだった最後。膝の上のおかめがとても軽くなっていたこと。最後まで膝の上に抱いていてもらえるように猫は死に際に体重を捨てていくのだろうか。翌日が春分の日で、すごく寒くて雪がしんしんと降り続いていたこと。雪を見ながらKと一日中泣いたこと。翌日が休日の夜に他界するなんて、最後までいい猫だった。おかめの野辺送りに行ったとき、火葬場から見た夕暮れの空がとても広かったこと。おかめのご自慢の長くてまっすぐなしっぽは骨の一つもダメージがなくきれいなままだったこと。あんなに何度も修羅場をくぐってきていたのに。
そろそろおかめのことが書けるかもと思っていたのに、書こうとすると馬鹿みたいにぼろぼろと泣けてくる自分に、まだ時間が必要なんだとびっくりしている。心の中でそこだけゆっくり時間が流れている。日々の生活は忙しく過ぎているのに。
おかめのことを心配してくださっていた方々、ご報告が遅れてしまいました。ありがとうございました。