里子読み
テレビを見ていたら、
「それでは歌っていただきましょう!さとごよみ」
というアナウンスが流れてきた。
里子読み。この子は親から捨てられて今まで孤児として一人で厳しく生きてきた。わたしたち夫婦は子供に恵まれず、縁あってこの子を里子として引き取った。はじめは表情が硬かったこの子も、毎晩ひざの上に乗せて絵本を読んであげているうちに、だんだんと表情が明るくなり、絵本を楽しみにして膝の上で幸せそうにしているのを見て、これからもこの子にずっとずっと本を読み続けてあげよう。・・・。
そこまで、想像したら、アナウンサーが
「ふるさとの季節を思いながら聞いていただきたいと思います」
とイントロにかぶせていったので、自分の間違いに気がついてしまった。