小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

素直になれないくせに。

息子は自分がほしいものや食べたいもの、うらやましいものがあると、それをけなす癖がある。素直にそれがほしいといえないらしい。

息子は今のところ髪の毛に癖がない。わたしも髪の毛にほとんど癖がない。そして、息子によればみんなストレートヘアーにあこがれるのだという。

「でもさ、ストレートなんて退屈だよ、退屈! おかあの髪もなー。退屈やなー。いつ見ても同じ髪形でなー」

はいはい。余計なお世話ですよ。

日本に行ったときにYさんとSさんから日本酒*1をいただいた。その時にするめも一緒にいただいた。Kはわたしの干物好きを知っているのでお土産に持って帰ったら?と言ってくれたのでありがたくそうした。

そのするめは台所に置かれていて、時折おやつ代わりにつまんでいる。残念ながらするめと赤ワインの相性は非常に悪いのでつまみにできない。

ある日、息子が来たときにそのするめをじろじろ見ているので、食べるかと聞いたら、こんな気持ちの悪いものは食べたくない、だいたいこんな気持ちの悪いものをたくさん透明の入れ物に入れておくなんて信じられない、と言い出した。なんて失礼なことを言うんだと思って、するめを一枚取り出してそれで息子をひっぱたいてやった。

そうしたら、足の部分をもらっていいかと息子がするめをひっつかんだ。そうだろう、食べたいのだろうと思ったので足の部分をちぎって息子にあげた。食べながらもなんだかんだと文句を言っていた。が、食べ終わると満足そうにしていた。

先日、息子が来たときにまたするめをじっと見つめている。ほしいのかと聞いたら、今度は胴の部分を食べたいといった。要するに、文句を言ってはいるがするめがすっかり好きになったらしい。

そんなふうに素直になれない息子である。だから好きな女の子にも意地悪をしてしまったりしてるんじゃないかと母親らしく心配してやっていたのだが。

先日、息子を迎えに行ったとき。わたしの車を見つけた息子は一緒にいたガールフレンドを抱きしめて軽くキスをしてから、車に向かって走ってきた。

…おいしいところは逃さずにいるあたり、なかなかしっかりものだと妙に感心してしまった。

*1:とってもおいしかったです。Yさん、Sさん、ありがとうございました。