わたしの脳が疲れるわけ
BBC Radio4のIn Our Timeでギリシャ神話についてのディスカッションがあるはずなのでそれを聞きたくて探していました。そうしたらたまたまOpen Bookという番組に突き当たりました。3月9日放送分のプログラムの最後にReading and the Brain(読むことと脳)というセクションがあったので聞いてみました。
Maryanne Wolfという認識学の研究者が発表した本の紹介です。そこで、実はソクラテスが学ぶ際に書かれたテキストを読むことに反対をしていた、とWolfが話していました。彼女によれば、ソクラテスは読んだらそれだけで学んだように誤認をすると考えていたようです。まあそれは確かにあるなあ、と思います。読むことと理解することは等式では結べないです。
それに対してWolfは生物学的にも知能的にも人間は読むということによって自分のキャパシティーを越えた知識を得ることができる、と議論をしているようです。そしてそういった知識は口述では得ることができない、と。
…まあ、そのあたりのことはちょっと横に置いといて。
中国語と日本語と英語では読むときに違う部分の脳を使っているという事実を聞いてちょっとびっくり。中国語では右脳左脳の両方から大脳皮質の視覚野*1に働きかけるそうです。それに対して英語では聴覚に関する左脳の領域が活動していることがわかったそうです。残念ながら番組では日本語については言及がありませんでした…。ちぇ。そこが聞きたかったのに。
まあ、しかし、脳の違う部分を使っているわけだから、英語と日本語を平行して読んでいると疲れるわけだ。うん。そういうわけなので、現地語を学ぶとさらにわたしの脳が疲れそうなので、その辺は曖昧にごまかして生きていこうと思ったりしました。
Proust and the Squid: The Story and Science of the Reading Brain
- 作者: Maryanne Wolf
- 出版社/メーカー: Harper
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: ハードカバー
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