小人閑居

世の中に貢献もせず害もなさず、常に出力50%。

バスに乗って

4月からの仕事そのほかもほぼ目途が付いて、あとは臥竜点睛となるイベントが一つのみ。それも、よほどのことがない限り大丈夫だろう、と思う。

4月からの諸々に備えて、土曜日の早朝からあちらこちらを回った。時間があったので、途中の移動にバスを使った。電車で行った方がずっと早いけれど、わたしはバスが好きなのだ。地下鉄では町の風景が見えないし、電車では風景が過ぎるのが早すぎるし。バスは楽しい。橋を渡ったり、線路の下をくぐったり、どこかの大学の入試の受験生をたくさん乗せて降ろして、教会の前を過ぎ、結婚式で有名はホテルの前を抜け。

都心から少しだけ外れた町には、細い小さい古いビルが多い。ベゴニアの鉢植えが歩道にはみ出していたり、外壁にひびが入っていたり、何年も乗ってないさびた自転車が引き戸の玄関の前に倒れていたり。小さい二階建ての家を改造したホットサンドの専門店。1階は売店とキッチンのみ、急な階段を上がった2階には10席くらいのお店で、おいしそう。でも、わざわざ食べには行かないかな〜。日本酒の専門店があって、日本酒アイスなんておいしそうだな〜。でも、やっぱりわざわざ食べには行かないな〜。

しかし、小さいビル的なものがぎゅっと詰まって立っているけど、その隙間の20㎝がもったいないかも。どうせなら長屋にすれば、土地ももう少し活用できるかな…。どうせ古いんだから全部つぶしてきれいに更地にして。そうすれば上空も活用できるしな。

その瞬間、なんか、地上げ屋の思考がわかったような気がした。

でも、やっぱり個人的には非効率的でも、古い街並みを保存する方が好きかな。

どんな瞬間に未知のものへの理解が下りてくるかわかったもんじゃないな、と思いつつ帰宅した。